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tiikiokoshi17

安心院のグリーンツーリズムを体験

安心院の特徴はいくつかあります。非居住者である私たちが知りたい情報としては、おそらく「観光」の情報が気になりますね。


安心院において観光資源として、私が有力であると考えるものが2つあります。(もちろんこの2つ以外にも観光資源はありますよ!)




それが、

「ぶどう」と「農泊」

です。


 

まずぶどうについては、西日本有数の生産量を誇ります。

シャインマスカットなんかは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。



これがまあ美味しいんですよ、本当に。

写真のシャインマスカットは活動中に知り合ったブドウ農家の方から頂いちゃいました。東京だと8000円で売られているだとか…!!





私が訪れた年は台風などの影響により味が例年に劣るそうですが、それでも美味しかったので、ぶどうは間違いなく観光資源の1つです!





高温多雨な気候である九州は元々、ブドウの栽培には適していないそうです。しかし、今から50年程前に、安心院の人々が発起して、一帯をブドウ団地にしようとブドウ栽培を始めたそうです。学識者にも反対されたそうですが、盆地型の気候である安心院は風土的にはブドウ栽培に適した気候であり、生産者の努力も重なって今では名産品になっているそうです。


 

そして2つ目である農泊ですね。


農泊に関する体験記事は他(グリーンツーリズムを体験してきました)にもありますので、そちらも合わせてお読み下さい。



私が訪れたのは2軒のお宅です。



一件目は「舟板昔ばなしの家」です。いい名前でしょ??



築130年前後の家屋です。なかなか風情があります。

特徴的なのが五右衛門風呂と囲炉裏です。知らずに向かいましたので、とても驚きました。

写真のような囲炉裏を囲いながら家主の中山さんと晩酌です。


風情がいいのも特徴ですが、家主の中山さんがまあいい人で、あっちも等身大というか、いい意味で宿泊客としては扱われないので、その雰囲気がこちらの緊張をほどいてくれます。



晩餐にはとても多くの手料理が振る舞われますが、ほとんどが近くで採れた新鮮なもの。とても美味しいです。



正直またいつか行きたいと思っています。


 

二件目は「寒水の家しんや」です。



私自身前後の予定がばたばたしていたため、あまりゆっくりできませんでしたが、鹿肉や猪肉などのジビエ料理であったり、新鮮な野菜が食卓に並び、とても楽しい時間を過ごすことができました。



受入先のご夫婦も非常に明るい雰囲気で、滞在時間はあっという間でした。



こちらの様子は他の記事でも紹介されていますので、そちらで詳しくご参照下さい。


 

どちらの家庭も非常にリラックスできて、何より田舎の農家での暮らしの豊かさ?のようなものが体感できる非常に貴重な体験になりました。


安心院に訪れる場合は一泊していくことを強くおすすめします。









そして以下は私が安心院の農泊・グリーンツーリズムについて気になった問題に対する考えです。完全に個人の意見ですので、気になった人だけ読んでください。


 

そもそもグリーンツーリズム(以下、GT)がある目的とは何か、それは「都市部と農村間の交流人口の増加を図ることで、農村部の活性化を行う」ことです。


GTの形態には様々な種類があります。キャンプだって立派なGTの1つです。そんななか、安心院におけるGTは農泊です。


私が思う農泊の一番の特徴は、「おもてなし」や「非日常」を提供することに価値を置いている、一般的な観光・旅行とは一線を画した体験のあり方だと考えます。


自身の経験談や他者の話に基づくと、農泊で得られる経験として、ありのままの農村生活体験がもたらす心の余裕や、農村住民との近接した関係がもたらす人との出会いや交流の提供が、価値のある経験であると言えます。


これらを提供している安心院地域ですが、農泊が始まって20年程経過した今、転換点に立たされています。これには大きく2つの要因があり、1つ目は後継者問題、2つ目は持続可能な取り組みに向けた方針転換です。


まず1つ目について、この安心院地域は人口減少が極度に進んでいる地域ですから、現在農泊を担っている高齢者の方々が引退するとなると、後を継いだり、新しく始める人を探すのは至難の業です。現在の内部住民間でこの問題を解決しようにも限界がありますから、解決へのアプローチは必然的に外にも頼る必要があります。


2つ目については、国の方針転換を指しています。国はGTにおける取り組みを持続可能な取り組みとするべく、従来の補助金ありきのGTの活動の体質を変えようとしています。農泊においては、農泊を構成する重要な要素である食・泊・体験(農業など)の分離を勧めています。つまり、周辺の食事施設で食事を行い、受け入れ家庭に宿泊、農業は他者の畑で行うといった要領です。これを行うことで各主体の負担軽減を行います。


1つ目は人口増加などに頼るほか、2つ目の施策を応用することで、問題の先送りには繋がります。しかし、根本的な問題の解決には至りません。また、2つ目については、副次的なメリットとして農泊受入における新規参入者の増加や地域全体での農泊実施による経済活性化が見込まれますが、これまで存在していた農家での濃厚な交流は担保されるのでしょうか。


農泊を斡旋する主体はこのジレンマに挟まれており、おそらく様々な意見が飛び交っています。それは経済合理性だけでは判断できない要素が含まれる複雑な問題構造でしょう。


私が思うのは、そもそも農泊を人口増加の手段として捉えることです。農泊の第1の目的は、従来は人口増加には無いはずですが、農泊を通じて移住へと至る人は一定数存在します。この地区の将来性を鑑みた場合に移住者へのアプローチを強くする行為は合理的であり、何者かを犠牲にする選択ではないはずです。移住に繋がる人々が求める農泊体験とはなにか、それを突き詰めた上での農泊の実施がこれから行われるべきなのではないでしょうか。


以上の文章は個人の意見ですが、皆様はいかがお考えでしょうか。その真相が気になる方は、現地で体験した上で、是非この問題について考えてみて下さい。そしてその意見を教えて欲しいと思います。

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